ジブチの憲法:主要な規定と改正

アフリカの角に位置するジブチ共和国は、世界でもっとも交通量の多い海上ルートに近接する立地から戦略的な地政学的重要性を持つ国であり、豊かな歴史を持ちます。その小さな国土にもかかわらず、憲法に明記された民主主義原則へのコミットメントに基づき、地域および国際政策において極めて重要な役割を果たしています。

**歴史的文脈と採択**

ジブチの憲法は1992年9月4日に国民投票によって採択されました。その制定は、民主的な統治、人権尊重、法の支配を特徴とする現代国家の樹立に向けた重要な一歩でした。この基本法的文書は、国の願望を反映し、政治、経済、社会発展のための道筋となっています。

**主要な規定**

ジブチの憲法は国家の最高法としての地位を持ち、国家の構築の基本原則を明記しています。以下は主要な規定の一部です:

1. 国家の性質: 憲法第1条は、ジブチを主権国家であり、分割不可能な政教分離原則を採る民主主義共和国と宣言しています。主権は国民にあり、選出された代表者および国民投票によって行使されます。

2. 人権: 憲法は基本的人権の保護に重点を置いており、表現の自由、集会の自由、信教の自由、公正な裁判権、および不当な逮捕・拘留からの保護などを保障する規定を含んでいます。

3. 権力分立: 憲法は、行政、立法、司法の三権分立制を確立しています。大統領は5年の任期で選出され、かなりの行政権を有しています。選出された代表者からなる国民議会が立法機関を担い、司法権は独立しており、憲法上の権利の保護を確保しています。

4. 地方自治: ジブチは6つの行政区に分割されており、各地方には地域の事務を管理する自治権が与えられています。この規定は、中央政府と地方当局の間の権力バランスを目指し、地方自治と地域参加を促進することを目的としています。

**改正と進化**

採択以来、ジブチの憲法は数回の改正を経て、国の政治的状況と社会経済的ニーズの変化に対応してきました。

2006年の改正: 最も注目すべき改正の一つは2006年のもので、大統領の任期を6年から7年に延長し、任期制限を撤廃したものでした。この措置は主に政治的安定と統治の連続性を促進することを目的としています。

2010年の改正: この改正では、大統領の任期制限が再導入され、民主主義原則を強化する重要な一歩が踏み出されました。この改正により、個人が大統領職を2期以内でしか務められないことが定められ、一人の指導者に過度な権力が集中する懸念に対処されました。